音楽ビジネス

音楽がビジネスになり 音楽産業として発展し 毎年 たくさんの新譜が発表され発売されてきた 世界中の売上高は年間2兆円を超え その半分以上が音楽ストリーミングだ 機器が変わり続け メディアが変わり続け CDやDVDを買う時代から ダウンロードする時代へ 環境が変わっても 人は新しい曲を作り続け 歌い続け 演奏し続ける ハードウェアやソフトウェアを使って 誰にでも作曲ができるようになると どんな曲を作っても 以前作られた曲に似てしまう 毎年 何十万もの曲が編み出され 何百万 何千万もの曲が蓄えられる 音の組み合わせは無限だといっても もう どんな組み合わせも 独創的とはいえない コンピュータを使って 新譜に似た古い曲を見つけ出し 新譜の作曲をした人を 著作権侵害で訴えるなどという 新しいナンセンスなビジネスが生まれ 著作権は意味を失う 人は何千年ものあいだ 著作権料など払わずに 歌を歌ってきた 吟遊詩人の歌も ブルースも メロディーは似通っていて でも それを 誰も おかしいとは言わなかった 聴いた曲が良ければ 歌いたくなるのは自然のこと コピーだとか 真似たとか 似たものを作ったとか そんな細かいことは 誰も言わなかった 大らかに笑っていれば それでよかった 自分では何もしないで なんでもかんでもビジネスにして カネ儲けをしている人たちに 音楽が乗っ取られてしまった 音楽はビジネスである前に 楽しむもの 楽しむことなくカネ勘定をするのは 音楽への冒涜だ 著作権ビジネスで稼ぐ人たちは みんな悪魔だ